3度の火災と戦争を経験した歴史を持ち、いわゆる5代目の首里城が消失しました。
私だって、心を痛めているし、本音を言えば、またこの目であの首里城を見たいと思っています。
首里城再建計画を2022年までに策定ってのは、決して首里城再建完成の話じゃない(なんかそこ間違ってる人多い。策定って言ってるのに)。
あくまで「再建計画」の完成を目指すというもの。その辺の商業施設じゃあるまいし、3年弱で首里城が建つワケがない。
簡単に「再建」って言えないって話は、火災当日に投稿しましたが、建材も設計も職人も、時代がすでに変わっていて、前回の復元計画そのままではいかないこともあるでしょう。
某歴史的木造建築の復元のため、建材目的でアフリカから大量の大木を輸入したことで、森林破壊を助長しているといって国際的な批判を受けているのは記憶に新しいはず。
深谷さんの投稿を拝読して、改めて思いました。
同じものを同じように作ることが、果たして今の時代に沿ったものなのでしょうか。
たしかに「首里城」は資産で大事な文化遺産だと思います。
だけど、環境保護の観点、観光経済の観点、文化遺産の観点といった様々な視点から幅広く「首里城」を考えるべきかもしれません。
6代目の首里城は、もしかしたら別の場所に建てるという選択肢だってアリなのかも…。(極端かもですが)
大径木材にこだわらなくてもいい。集成材だっていいのかもしれない。もしかしたら、木造建造物でなくてもいいかも。もっと言えば、VRでも?(それはさすがに味気ないが)
首里城跡は、城跡としてずっと残るのだから、建物だけでいえば、そういうことだってあってもいいのかもしれない。
伝統を守るっていうのは、次世代に精神を受け渡すもの。決して、変えてはいけないというものではないはずです。
文化遺産の復元のために、森林破壊はやむ得ないっていうのは、あまりにも傲慢なんじゃないかって思うんです。たしかに、歴史的な建築様式を再現したいという気持ちはわかります。でも、だからといってなんでも許されるものでもないと思います。
深谷さんの言うところの、周辺に住んでいる人たちの環境だって然りです。
観光資源として儲かればいいからといって、周囲のオーバーツーリズムに無関心であってもいけない。
5代目の首里城はこうだったという文献を残しておけばいいんじゃないだろうか。それだって十分な資産で遺産だと思う。
時代に則した新しい6代目首里城の策定に期待したい。
そして、私たち一人一人が当事者として「首里城」がどうあるべきなのかを意識し、考えなくてはいけないと思います。
沖縄県民として、そして日本人として心から思うのでした。